合同会社(LLC)

合同会社とは、平成18年の新会社法施行に伴い、新たに認められた組織形態です。 日本ではまだまだ聞き慣れませんが、アメリカでは既に100万社以上が設立され、非常にメジャーな組織形態です。

合同会社の特徴

合同会社の最大の特徴としては、株式会社と同じように、出資の範囲で責任を負う有限責任でありながら、利益配当や意思決定において、出資比率に拘束されないという点です。

具体的事例
優秀だけどお金のないwebデザイナーのAさんと何の技術もない単なるお金持ちのBさんが、一緒にweb制作会社を設立しました。Aさんは1万円を出資し、Bさんは99万円を出資しました。会社設立後、Aさんは必死に仕事に打ち込み、見事に初年度から事業が成功し、今期は1000万円を利益配当できることになりました。なお、Bさんは毎日ネット検索ばかりをしており、特に会社の利益に貢献していません。

・株式会社の場合
配当金1000万円のうち、出資比率(1:99)に応じ、Aさんは10万円、Bさんは990万円を受け取ることになります。 会社に貢献したAさんより、何もしていないBさんのほうが、はるかに利益配当が大きい結果となってしまいます。つまり、株式会社の場合、出資していない以上は、Aさんの頑張りは報われません(もっとも、Aさんが役員であれば、役員報酬という形で報われることもあります)。

・合同会社の場合
事前に決めておけば、出資比率に関係なく、利益配当を受けることができます。 例えば、Aさんは高額な出資をできない分仕事を頑張る、Bさんは高額な出資をする代わり仕事は何もしない、という前提で、予め利益配当の割合を50:50などにしておくことができます。Bさんが納得すれば、Aさん80:Bさん20などに設定することもできます。

また、会社の意思決定の場面でも、原則は、出資比率に関係なく出資者1人につき1議決権となっています。よって、少額の出資しかしていないAさんの意見も、会社の意思決定に反映されやすいと言えます。(この点、株式会社の場合、Aさんの議決権は1%しかないので、Bさんがダメと言ったら、Aさんの意見が反映される余地はありません)。

合同会社のメリット・デメリット

合同会社のメリットとデメリットは下記をご参照ください。

メリット
1.登録免許税が安い

株式会社設立の登録免許税は15万円ですが、合同会社の場合、設立時の登録免許税は6万円です。

2.定款認証が不要

株式会社の設立時には、公証人による定款認証を受けなればいけませんが、合同会社の場合、設立時の定款認証がいらないので、公証人に支払う費用5万円がかかりません

3.法人格があるので、株式会社への組織変更も可能

合同会社(LLC)と似たものに、有限責任事業組合(LLP)がありますが、こちらは法人格がないので、株式会社への組織変更はできません。

4.最低資本金の規制はなく、有限責任社員1人で設立可能

無限責任の個人事業、合名会社等に比べると、失敗した際のリスクを軽減できます。

5.配当金の分配比率や会社の意思決定を自由に設定できる

株式会社と違い、出資比率に拘束されることがありませんので、柔軟な組織運営が可能です。

6.法役員変更手続が不要

役員の任期は、定款で定めない限り存在しませんので、株式会社のように、煩雑な役員改選手続がなくなります。よって、役員変更登記も不要で、コスト削減になります。

7.決算公告の義務がない

1回あたり最低6万円弱かかる公告の掲載料も不要になり、コスト削減になります。

デメリット
1.信用度が低い

日本では未だメジャーな組織形態とは言えず、同様のサービスをしている株式会社と比べると、対外的な信用は低い傾向にあります。また、合同会社の求人はあまり人気がなく、優秀な人材の確保が困難です。